キー

  • 2013.02.01 Friday
  • 14:40


先日三十一日に新宿OREBAKOで行われた『関東ギターエロスファイナル』のOAはTEPPANのBOBちゃんと久々のアコギ&ドラムのツーピース形態で、僕が静かに飛べる時、愛しいひと、月にさけべ!の三曲を演奏してきた。
さすがに三曲なら持ち時間の二十五分を余裕で守れると思っていたのだが、やはりエックスタイムが長いのか、MCが長いのか、終わってみれば二十四分。三曲で二十四分。これはいったいどういうことなんだろう、と自分でもよく分からなくなってくるが、とにもかくにもこの近年で久々に持ち時間をしっかり守った。やれば出来るではないか、鈴木ナオト!
そんなワケで、次回四月に行われる関東ギターエロスは、東京代表でおいらが出演することが決まっているので、この調子で時間を守りながら四月は一ヶ月間回っていきたいと思っている次第である。

それはさておき、最近六年前に書いた日記を読んでいたらちょっとツボだったので、ちょこっと加筆しつつワンタイに紹介!

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2007年3月24日『キー』

今の仕事をしてきて、今まで実にいろいろな生徒さんに遭遇してきた。
スタジオに入るなり一時間以上ずっと座り込み、 「生きる気力がない」と嘆いて、おいらをじっと見つめてきたりする女の人や、執拗な色仕掛けで迫ってくる人妻や、私は他でも声楽をやってるの、そこではトップクラスなのよ、とやたら自信満々なことに加えて高圧的な態度なので、敢えて黙って歌わせてみたらそれがヒドイ歌声で、挙句に腹式呼吸で息を吐く際、
「はい、吐いてください」
とおいらが言った途端、ブッ!!とひどく下品な音のオナラを放って、 瞬く間にひどい臭いがスタジオに充満してきたにも関わらず、それでも飄々とした態度で、ふん、とシラを切っているので、静かに腹が立って無言で換気扇を回してみたり、まぁ、キリがないほどいろんな人がいる。

そういえば以前、体験レッスンに来た女の人が、
「私は腹式呼吸は完ぺきに出来ているし、歌にもそこそこ自信があります!」
と自信満々に言うので、なるほど、そうですか、と軽く聞き流し、そういうことを言う人に限ってまるっきりダメな人が多いんだよなぁ、との懸念通り、実際に聞いてみると息漏れはひどいしこれがまた鳥肌が立つほどひどいので、正直に言ってヒドいです、と素直な感想を述べると、すがるような目つきでその体をおいらに向けて急接近。
いやいや!近付き過ぎですから!

「でもまぁ、腹式呼吸が出来ていれば歌が上手くなるワケでもないし、僕自身、腹式呼吸至上主義の講師ではないのでそれはいいですよ、歌は上手く歌う気持ちより伝える気持ちのほうが大事ですからね。でもどうしてまた腹式呼吸が完ぺきだなんて思ったんだろう、、、」
おいらは半ば呆れながら問いてみる。

この体験レッスンの時点では、彼女のアンケートの職業欄には “ヒ・ミ・ツ”とだけしか書かれていなかったので、彼女がいったいどんな仕事をしている人なのかは知る由もなかったのだが、それよりも普通、本当にヒミツにしたければ、わざわざ“ヒ・ミ・ツ”なんて書く必要があるのだろうか、空欄でいいじゃねぇか。 しかもなんだその「・」は。

「わたし〜、職業をヒミツって書いちゃったけど先生になら言っちゃおうかな!」
「なるほど」(早く言ってください)
「えーっと、わたし〜、普段助産婦やってるんだけどぉ」
「助産婦!」
「そう!助産婦!(ここでおいらに向かって指を指す)で〜、出産時に妊婦さんに呼吸とか教えたりして、すごく感謝されたりしてるんだけど〜」
「、、、」(もしかしたらひょっとしてそれはあなた、、、)
「出来てない!? 先生わたし、腹式呼吸出来てない!?」

「あの、、、ソレ、ラマーズ法、ってヤツですよね、ラマーズ法は歌の呼吸とはまったく関係ないです」
「えぇ〜!わたし腹式呼吸は完ぺきだと思ってたのにィ〜〜!」(ここでヘナヘナと座り込む)

とまぁ、思い返せばおいらを困らせる生徒さんというのは、その殆どがボイトレとはまったく関係の無いことで おいらを振り回してきたこと多々なわけだが、久し振りにボイトレに関することでおいらを悩ます生徒さんが出現した!

うれしい!
ガッツポーズをひとつ決めたくなる気分だ!

でもこれがまた難しい問題だ。
キーが分からない、と言うのだ。
カラオケに行った時、同僚が自分の声に合わせて伴奏のキーを低くしたり高くしたりしているのだが、アレは何の為にやっているのだ?と言うではないか。

「自分が歌いやすいキーに調節してるんですよ、それは」
おいらは答える。すると、
「歌いやすいとはどういう声ですか?」
と聞き返された。
「はい、じゃあ◯◯さんが今一番楽だと思う声を出してみてくださいな」
「楽な声って何でしょう」
「うーん、何も考えずに出す声、といったらいいですかね」
「あ、はい。あーーーー、、、」
「それですそれそれ!それが○○さんが出しやすくて楽な声ってヤツです。で、カラオケで歌う曲がその声よりキーが高いな、と自分で感じたら伴奏のキーを下げるし、低いようだったらキーを上げたりするんです、一般的には」

決まった。
これで納得してくれただろう。

「キーを上げる、下げる、というのはどういう意味なんですか?」

、、、なんだそれ。本気で言っているのか。

そこでおいらは、もう一度自分が一番楽だと思う声を出してみてください、と言う。
「はい。あーーー… 」

おいらはキーボードの鍵盤をひとつ押さえ、
「この音が○○さんが今出していた声、つまり楽な声ってヤツです。えー、“レ”ですね。じゃあよく見て下さいね、この“レ”を基準にして右へ弾いてゆくと音が高くなってゆくでしょう。これを上がる、と言います。逆に左へ弾いてゆくと、ほら、音が低くなっていきますよね。これを、下がる、と言います」

決まった。
これで分かっただろう!

「今何を言ってたのかちょっと分からなかったし、それが楽な声とどういう関係があるんですか?」

、、、おい。
自分が今何を言ってるのか分かってるのか。

そこでおいらは鍵盤を使うのを諦めて立ち上がると、ちょっと僕のジーパンのベルトを見てください、と諭し、
「このベルトをギュッ!と締めると、僕、苦しくなりますよね。逆に緩め過ぎるとジーパンがズリ落ちてきちゃいますよね。だからココの穴で止めてるんです。これは考えてこの穴をチョイスしているワケじゃありません。この穴の位置が一番楽でちょうどいいからなんです。なので楽な声ってヤツはこのベルトの穴と同じふうに考えてもらえばいいんですよ」

決まった、、、だろう。

だがしかし、目の前の生徒さんの表情は相変わらず浮かない表情だ。
待って、、、もしや、もしやひょっとしたらひょっとして、言ってることまだ理解出来てないのォォ〜〜??

「私、あんまりベルトとかしないんでよく分からないです」

いや、、、そういう話じゃなくってね、ちょっとでいいから想像してごらんよ。
ベルトしたことがないから分からないです、って、、、
オレをおちょくってるのか!どこのスパイだ!コラー!

「…うん、分かった。ゆっくりやってこう、うん」

誰か、どうしたらこの人にキーの高い低い、楽な声とは何か?
を上手く説明してあげれるのか、いいアドバイスがあれば教えてください。

本気で頭が痛くなりました。

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ね、ちょっと面白いでしょう。
自分で書いたことなのだけど笑ってしまい、時効というか何というか、個人名書いているわけでもないし、このピースフルな風景をお裾分けしたい気分になってしまったのです。
あぁ、音楽ってやっぱりステキというか、人って面白いですよね。
そしてこうした人々と対峙するたびに、自らの平凡さを憂いてみたり。
でもこんな風に色々な人たちが色々な思いを抱いて歌を歌う。
そりゃね、同じ歌でも歌う人が変われば見える景色も変わるワケですよね。

さて!そんなステキな音楽を奏でられる次回のライブは来週月曜の建国記念日!
2月11日は代々木laboにて、LeeLeeLewisが主催する“LeeLeeNight!”ですョ!
何せ今回は総勢十組も出演するのでスタートが16:30と早いけれども、いつものようにドドーンといきたいと思っているので、どうぞよろしくお願いしますね。
鈴木ナオト×モミーズは七番手の19:50出演予定ですけど、このリリナイは毎回出演者は秀逸だし、毎回出店しているお馴染みのリーリー亭は、お好み焼き、焼きそば、豚汁が300円で食べ放題!という本当に楽しいイベントなので、都合がつく限り始めから観てもらいたいなぁ!

それでは皆さま、会場でお待ちしております!
会えたら嬉しい、モミモミしましょうワンダフル!

2月11日(月祝)
『代々木labo〜LeeLeeNight!』
open/16:00 start/16:30 ticket/2,000
act / 道太郎(ORIF)/ LAST TWIST / カトヒロキング / GOD TV MEAT OIL'S / PYGMY / THE STRIP HENDERSON / 鈴木ナオト×モミーズ / ハロー青空トレイン / ALL SWAMPS / LeeLeeLewis

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