ごろ寝を語る

  • 2013.03.08 Friday
  • 18:00


人間がもし、すべての欲望を満たすことが出来たら最終的にどんな行動を取るかを探ろうとした実験がある。
好きな時に好きなだけ食べさせ、遊びたい時に遊びたいだけ遊ばせ、エッチしたい時に好きなだけセックスをさせ、ちょっと仕事をしたい時には仕事をさせる。そうやって好き勝手やりたいようにさせておいた結果、最終的に人がとった行動とは何か。

それは「ごろ寝」だったそうだ。

その「ごろ寝」が何を意味するのか、その捉え方は個々に違うのだろうし、最終的にごろ寝をすることが幸せなのか不幸せなのかは、きっとマルコムXにだってジョンレノンにだって、当然安倍首相にだって分からない。それに幸か不幸かはともかくとして、僕だってごろ寝は好きだ。
サラサラとした畳の上、冷たいフローリングの上、緑の芝生の上、プールサイド、ふかふかの布団の中、それは至福のひとときに決まってる。
けれども仮に、好きなだけごろ寝が許されて、それが出来る環境下に置かれたとしても、そのような過ごし方をした先に何が待っているのかは、昔のアジア放浪時代に身を持って知ったし、見つけてきたつもりだ。

責任なんて負いたくない、オレは自由でいたいんだ、と誰かが言う。
責任を背負ってみたい、それでこそやりがいがある、と誰かが言う。
あまり物分かりの良すぎる大人になんてなりたくないが、どちらも分かる。
自分はといえば、今だって充分過ぎるほど自由だ。しょうがねぇなアイツは、と言ってくれる人たちが傍にいるからこそ、僕は自由であることを楽しめている。でも実は、その自由というのは自らが両翼の翼を持って羽ばたいているのではない。
なぜならそのぶんその影で、身近な誰かが片翼となって自分を支えてくれていることが多分にあるからだ。

もし自分の自由というモノが、誰の関与も存在しない自由ならば、きっと誰にも迷惑は掛からないかもしれないし、誰にも心配を掛けさせずに済むかもしれない。
けれども誰も関与しない、誰も介入してこない自由というのはひどく寂しいモノで、いくらでも自由であることが逆に、やがては自分から本当の意味での自由を奪ってゆくことになりかねない。

幸せであることがほどほどに退屈であるように、自由であることも、刺激的なことも、それが長く続けば退屈になる。だから我々はいろいろなモノを食べたがる。甘いモノに目がない人だって、いつまでもずっと甘いモノを食べ続けているはずなどないのだ。
世界中の人たちがもし日本人と同じような暮らしをしたら地球の資源は三カ月で尽きる、と言われているくらい、我々日本人は世界的に見てもとても幸せで、そして恵まれているよね。
もちろん現実を見れば額面通りにはいかないこともあって、みんな人それぞれ大変で、人それぞれ大きな偏りがあるのも事実だけれども、それでも我々は充分に恵まれている。

そして見てみろ、オレはこんなにも自由だ!

いつでも逢えるから、そんなことを考えて、なおざりにしていたたくさんのことに後悔して、僕は一年ぶん泣いた。だっていつでもそうやって、ごめんごめん、と言いながら僕らは笑ってきたし、それが当たり前のように続くと思っていたからだ。
こんな時にどうしてお腹なんて空くんだろう、と自分を責めてもみたけど、今日も家に帰ればビールを呑むのだろうし、明日もしっかりご飯を食べて、そして友だちに逢えばいつものようにきっと笑う。
それは失礼なことでも不謹慎なことでもない。
それが生きる力。それが逞しさだと思っているからだ。
今は、悲しいのかな、いや、どちらかといえば悔しくてたまらないや。
ただ、ばかやろう!って言いたいね、彼女にも、自分にも。

でも僕はこうして生きている。
自由に生きているのなら何をすればいい。
生きているのなら何処へ向かえばいい。
生きているのなら何を発言すればいい。
生きているのなら何を持てばいい。
こんなにも選択肢があることに、むしろオレは生きている喜びを噛み締めているぞ、ばかやろうが!

斎場を出ると空気も空も澄んでいて、梅の花が夕陽を浴びていた。
あぁ、こんなにも世界はキレイなのに、って、また涙が出た。
生の儚さを知ったからこそ、生きてるって、何て素晴らしいことなんだろうってね。

だから諸君!そしてオレよ!
無為にごろ寝なんてしている暇は無いのだぞ!

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